痛みとは リハビリに必要な基本知識
- リハビリスタジオclover
- 5月10日
- 読了時間: 4分
日常生活を送る中で、身体のどこかに痛みがあると、
動くのがつらい
活動量が減る
外出や趣味を控える
といったように、生活が大きく制限されてしまいます。
「痛みなく(少なく)動けること」は、とても大切です。
今回は、リハビリで痛みに対応するうえで知っておきたい、痛みの基本的な考え方についてまとめます。
痛みの定義(2020年 改訂)
国際疼痛学会 は、2020年に痛みの定義を改訂しました。
以下は、日本疼痛学会 による日本語訳です。
痛みの定義 2020 日本語訳(日本疼痛学会 2020.7.25)
「実際の組織損傷もしくは組織損傷が起こりうる状態に付随する、 あるいはそれに似た、感覚かつ情動の不快な体験」
付記
痛みは常に個人的な経験であり、生物学的、心理的、社会的要因によって様々 な程度で影響を受けます。
痛みと侵害受容は異なる現象です。 感覚ニューロンの活動だけから痛みの存在を推測することはできません。
個人は人生での経験を通じて、痛みの概念を学びます。
痛みを経験しているという人の訴えは重んじられるべきです。
痛みは,通常,適応的な役割を果たしますが,その一方で,身体機能や社会的 および心理的な健康に悪影響を及ぼすこともあります。
言葉による表出は、痛みを表すいくつかの行動の1つにすぎません。コミュニ ケーションが不可能であることは,ヒトあるいはヒト以外の動物が痛みを経験している可能性を否定するものではありません。
この定義の重要なポイント
痛みは個人的な体験である
身体だけでなく、心理・社会的要因の影響も受ける
神経の反応(刺激)=痛み、ではない
本人が「痛い」と感じていることが重要
つまり、痛みは単なる“ケガのサイン”というだけではなく、脳で作られる体験です。
痛みはどこで生まれるのか?
痛みは、
感覚(知覚)
感情(不安・恐怖など)
認知(経験や理解)
といった要素が関わり、脳(上位中枢)で統合されて生まれます。
そのため、
刺激がなくても痛みを感じることがある
気分や状況で痛みが変わる
ということが起こります。
痛みの種類一覧(全体像)
痛みは以下の2つの視点で分類できます。
【① 部位による分類】
体性痛(皮膚・筋肉・関節)
内臓痛
【② 原因による分類】
侵害受容性疼痛
神経障害性疼痛
中枢性疼痛
心因性疼痛
① 痛みの部位による分類
体性痛(皮膚・筋肉・関節)
体の表面や筋肉、関節からの痛みで、場所がはっきりしているのが特徴です。
熱刺激(例:やけど) 皮膚の温度上昇による痛み
火傷など 鋭く、刺激がなくなると軽減しやすい
機械刺激(例:圧迫・つねる) 物理的な力による痛み
初めは鋭く、続くと鈍い痛みに変化することもある
化学刺激(例:炎症) 炎症反応による痛み
ズキズキ・ジンジンと持続しやすい
内臓痛
内臓からの痛みで、広がりがあり分かりにくいのが特徴です。
鈍い痛み
放散痛(他の場所に広がる)
例:心臓 → 左肩や腕胃腸 → お腹全体
② 痛みの原因による分類
侵害受容性疼痛(ケガ・炎症)
最も一般的な痛み
切り傷、打撲、関節痛、筋肉痛など
原因が明確な痛みです
神経障害性疼痛
神経の異常による痛み
しびれ
ビリビリ
焼けるような痛み
慢性化しやすい特徴があります
中枢性疼痛
脳や脊髄の異常による痛み
何もしていなくても痛い
感覚異常を伴う
脳卒中後にみられることがあります
心因性疼痛
ストレスや心理的要因が関係する痛み
身体と心の両方が影響します
まとめ(リハビリで重要な視点)
痛みを理解するうえで大切なのは
「どこが原因か」ではなく「なぜその痛みが起きているか」
という視点です。
そして実際には、
複数の痛みが組み合わさっていることが多い
ため、適切な評価と対応が重要になります。
最後に
痛みは、
身体の問題だけでなく
脳や感情の影響も受ける
とても複雑なものです。
だからこそ、
「正しく理解すること」が改善の第一歩になります。




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